集団的自衛権を巡る議論が活発になっています。開かれた議論は健全な民主主義を支える重要な鍵です。ところが議論のなかには、論理が飛躍し、現実的でない主張も多く、残念ながら一部のマスコミの中には事実無根の内容を報じるところもあります。
そこで自由民主党足立総支部連合会では、集団的自衛権について、区民の皆さんが正しく論じるための材料を、本サイトを通じて提供いたします。
違います。集団的自衛権を論じる際、「戦争」と結びつけて語る人が少なくありませんが、文字にあるように「自衛権」を巡る権利で、文字通り「身を守るため」の議論です。他国や団体に攻撃を受けた際に、身を守る権利は国際法上も、どこの国でも認められている当然の権利です。
憲法違反の対象とされるのは「9条」についてで、さまざまな議論があります。ただし、「自衛」に立ち上がることを憲法は一切否定していません。
「同盟国」が攻撃を受けた場合、助けるためにその国にでていくかについても議論があります。現在の議論として、反対派はもちろんですが、賛成派の中にも他国に出向くことへ慎重な声が少なくありません。今後、議論を深めるべきポイントのひとつです。同時に、日本国が攻撃されたときに、応援にきてくれる約束=同盟を結んでいる国が滅亡の危機に瀕しているときに、「何もしなくて良いのか」という視点からの議論も必要です。
国連の要請により平和維持活動にでていったとき、仮に同じく国連に要請されて参加した「韓国軍」の兵士が傷つき倒れていました。兵士を助け、兵士が再び前線に戻り、誰かを傷つけると「集団的自衛権」の行使であり、武力行使を禁ずる憲法9条に違反する、という主張もかつてはありました。いまでもこうした現実離れした反対論が多く、議論が停滞しやすいのが現状です。
かつての戦争を思い出すという意見もあります。憲法の解釈から異論を唱えるひともいます。しかし、「安倍首相は戦争をしたい人」と、自分の想像を事実のように語る有識者も少なくなく、テレビや新聞がそれを検証もせずに紹介する事例も数多く確認されています。
賛成派の理由も、もちろん「戦争をしたい」ではありません。PKO活動で現地に赴いた自衛隊が、ともに働く他国の仲間を守ることができるようになるというのが賛成する重要な理由です。かつてイラクで「国際貢献」にあたった自衛隊は、比較的安全な地域のみを担当し、他国の軍隊に「警護」されることもありました。仮にその警護してくれた軍隊が、敵に襲われたとしても、集団的自衛権を定義しない限り、「見殺し」にするしかないのです。これを世界は許してくれません。
国際貢献は自衛隊だけしかできないわけではありません。しかし、世界は日本人が思っている以上に、危険で不安定です。仮に「民間人」を送り出すとして、その「民間人」の生命を保証することができない地域も数多く存在します。その一方で、我々日本国民の多くは、苦しんでいる世界中の人々を、「見殺し」にすることを望みはしないでしょう。また人の代わりに「お金」を支払ったとして、そのお金を現地に届ける人は誰でしょうか。つまり、消防官に防火服が必要なように、国際貢献の場では、その場に出向く人の身を守る方法が不可欠で、その為の議論のひとつが「集団的自衛権」なのです。
足立総支部連合会 政調副会長/会計